千葉県の赤松の取引状況(2019)

 

関東の南東側に位置する千葉県は、東京都の大都市圏の一角でもあり人口および人口密度は全国6位、面積においては第28位といわれています。県内の赤松の取引状況を語る上で欠かせないのが、千葉県の南房総国定公園や水郷筑波国定公園など観光も踏まえた自然が豊富にある点です。ただ、海抜500メートルを超える山地はなく南に進むにつれ半島という地理的条件を持つことも赤松の取引状況に関与している部分です。

 

南部側には県内最高峰といわれている愛宕山(標高408メートル)が聳え立つものの全国都道府県の最高峰の中では最も低いため、林業のしやすい環境を持つといっても過言ではありません。中でも南房総エリアの面積は房総岩稜を代表とする低山の森林地帯になっており林業はもちろん、古くから房州石と呼ばれる石材の切り出が行われ続けている場所といわれているようです。

 

赤松はマツ科の常緑針葉樹で、日本産のマツ科の樹木の中では広範囲に分布が行われている種類、天然のものなど広く分布されているといいます。赤松に対して黒松は耐潮性が強いため、太平洋や東京湾などに囲まれた千葉県の海岸線などに多く生育しており、内陸部に行くに従い赤松の割合が多くなります。ちなみに、赤松林はマツタケの生産林でもあり、この二つは相利共生の関係を持つとされておりマツタケが生える環境下にあるものほど寿命が長いとされます。

 

千葉県の内陸防風林としての役割もある赤松、千葉県の北部林業エリアは279ヘクタールの暴風保安林があり全体の約77%にあたる216ヘクタールは下総台地の畑作エリアです。この樹木は乾燥や貧栄養に強いといわれており成長がとても早いので自然災害が発生したときや森林伐採により空地が生じたときなど、いち早く森林を形成する性質があります。定期的な下刈りにより人為的な維持管理を行うことで取引状況にも良い影響を与えます。ただ、松くい虫と呼ぶ害虫による松枯れが生じ数は減少しています。

 

 
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