栃木県の赤松の取引状況(2019)

 

栃木県は関東の北部に位置する、人口約194,000人(2019年6月時点)の県です。栃木県内での国有林野事業は、日光森林管理署と塩那森林管理署がそれぞれの地域の管理運営を任されており、日光森林管理署は鬼怒川や渡良瀬川流域を担当、塩那森林管理署那珂川流域を担当するなどの役割分担が設けてあります。これらの管理面積は栃木県北西部を中心としているもので、約128千ヘクタールといいます。

 

国有林のエリア内には戦場ヶ原をはじめ、龍王峡や茶臼岳などの景観に優れた自然が豊富にあり、有数の観光スポットにもなっている場所です。国有林面積の約80%は保安林に指定が行われているのですが、保安林は下流都市部の水源林などの役割も担っており生物多様性の保全も守りながら間伐により森林整備が行われています。森林吸収源対策は地球温暖化防止には欠かせない取り組みでもあり、間伐などの森林整備を積極的に推進、森林整備の結果として間伐材などの木材利用に積極的に取り組みが行われているのも栃木県の特徴です。

 

赤松の取引状況は、森林の保護対策の実施により上向きになるといいますが、これは赤松には特有の害虫被害が与えられることがあるためです。森林保護対策の実施の中にはツキノワグマやシカなどの野生動物による剥皮被害から守る目的があり、ネット巻きをするなどして被害を最小限に抑える働きを行っているようです。その取り組みの中には、ネット形状の剥皮防除資材を利用する方法やテープ巻きを行う方法などがあります。剥皮防除資材は素材自体が強靱であり長期の設置に耐えることができる、面的に覆うことになるので効果が高いなどの特徴を持ちます。尚、栃木県の赤松林は那須街道沿線に多く見られ、昭和22年以降は林野庁所管の国有林として管理が進められているようです。この管理の中には赤松の天敵ともいえる松くい虫からの被害を最小限に食い止めることが挙げられますが、被害を最小限に抑えるための薬剤注入作業も欠かせません。

 

 
トップへ戻る