宮城県の赤松の取引状況(2019)

 

戦国武将の伊達政宗から始まった伊達氏の統治、その土地の名残が今でもうかがえる宮城県は過ごしやすい地域です。
日本の太平洋側に接している土地に当てはまる太平洋側気候に属しているため、夏は猛暑になりにくいうえに豪雪にもなりにくいとされています。ただしあくまで全体的な気候であって、詳細を詰めれば各エリアに特徴があり、気象庁では宮城県内の気象予報をかなり細分化しているのが特徴的です。例えば東部の気仙沼市や石巻市は先述した快適な天候であるものの、西部の栗原市や大崎市は気仙沼市と石巻市に影響を与えているやませがないうえに日本海側気候に分類されているので冬の寒さは厳しくなります。
そんな宮城県で最も赤松と関わりがある場所である東松島市は石巻市に接しているため、温暖な土地です。
東松島市もとい松島は日本三景に数えられている観光地で、実際にそのスポットである松島町は森林が目立ちます。50パーセント以上の町の面積が森林なので当然ですが、林業における取引状況を落ち込んでいる状態です。およそ50年前までは杉やヒノキを植林し、それを売却する木材にして利益を得ていましたが、新しい建材の登場や輸入材の増加で放置されるのが当たり前になりました。景観と水質の維持のために管理はされているものの、その管理ですらも一筋縄ではいかない状態です。
赤松を含めて松が佇む光景が美しい観光地はマツ枯れに悩まされています。
マツ枯れとはマツノガイセンチュウが樹木を食い荒らす事で起こる被害で、食い荒らされたら最後、伐倒しかないです。現在のところ薬の注入や散布が主な予防になっているものの、それでも伐倒するしかなくなったらその樹木は焼却などの処理がされます。近年では町が率先して工芸品の材料としてリサイクルされていますが、宮城県の赤松の取引状況には影響を与えていないです。つまり宮城県では赤松は取り引きが目立っておらず、今後も景観が優先される事を考えれば盛り上がる可能性は低いと言えます。

 

 
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