秋田県の赤松の取引状況(2019)

 

秋田県の林業総生産額は、昭和54年にピークを迎え以降は減少傾向にあるといいます。ピーク時には494億円で平成14年度においては76億円と激減しているものの、平成14年度以降は微増状況を持ち平成27年度においては約136億円の林業総生産額に達している模様です。秋田県内の第一次産業は約948億円で、林業は全体の約14.3%とそれほど高い割合ではありません。木材の取引状況は出荷の割合を見ることでわかりますが、平成27年度での木材・木製品の製造品出荷額の割合は全体の約5.4%です。この割合は全国第8位の出荷額でもあり、パルプ・紙・家具・装備品などを含めたときの木材産業は県総出荷額の10.2%の割合になります。

 

秋田県の平成28年度での樹種別素材生産量は、広葉樹が全体の9%・杉が全体の87%・赤松や黒松が13.1%でその他の針葉樹は31.3%です。赤松の取引状況は全体の約13.1%(黒松も含む)などからも、割合としてはそれほど多くはないものの防風林としての役割を持つマツ科の中では取引状況は多い部類に入ります。平成28年の樹種別素材生産量は、杉が87%に対し赤松および黒松は1%に過ぎません。平成19年度からの素材生産量を見ても、1%〜6%の割合になっており秋田県の中では杉が最も高い比率になっているようです。

 

マツ科のマツ属に分類される赤松は、常緑針葉樹でロシアのシベリア地方などに広く分布する種類です。木理は通直ですが、肌目は密なものから粗いものまで幅広くあり脂気が多めなどの特徴を持ちます。樹木から木材への加工は乾燥が容易にできる種類でもあり、国産の赤松は強度が高いことや多くの木材を採取できるなどのメリットを持ちます。耐朽性は普通ですが、加工性が良いことや耐久性に優れているなどからも建築部材や家具などで利用されることが多いといいます。秋田県は生産数は少ないものの赤松の良さを知る人などに人気を集めているようです。

 

 
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