沖縄県の赤松の取引状況(2019)

 

近年のご当地ブームで朗らかな実態が取り上げられている沖縄県の気候は南日本気候に属しているものの、熱帯雨林気候と亜熱帯性の温暖湿潤気候に分かれています。すなわち年間を通して、気温が高めというわけです。
実際に沖縄県の全域における年間の平均気温は22度で、降水量も多く、多湿となっています。
しかし陸地の面積が狭い事と周囲が広大な海に囲まれている事がヒートアイランド現象をなくしているため、35度以上の酷暑にはならないです。もっとも台風の接近率は高く、そのおかげで台風銀座と呼ばれてもいます。また自然も特徴的で、気候が亜熱帯であるためか、マングローブといった亜熱帯で自生する植物が主です。一級河川がなく、川があったとしてもかなり短いうえに降水量の影響を受けやすいところがあります。
そんな沖縄県にはリュウキュウアカマツと呼ばれる赤松がある事で有名です。
漢字で表記すれば「琉球赤松」となるこの樹木は南西諸島の海岸に自生しており、本土では黒松と混合されていますが、内陸と海岸で分けられて育っています。小笠原諸島にも1899年から緑化と薪の材料の増加のために移植されましたが、オガサワラハンミョウに被害をもたらしたとされて伐採された記録があるのが確認済みです。現在は帰化した外来種となっているものの、マツノザイセンチュウによって枯死した樹木でもあります。
それは沖縄県でも同様で、リュウキュウアカマツの森林はその数を大きく減らしているのが現状です。
その原因は第二次世界大戦の戦火のせいもありましたが、現在では松食い虫による被害や外来種の樹木の生育、そしてパイナップル産業が大きな影響を与えています。
そのため取引状況は芳しくないものの、希望がなくなったわけではないです。
実は現在の沖縄県では木材をメインにした住宅がブームになっています。戦後直後は戦火から早く立ち直るため、またアメリカの支配下だったためにコンクリートを用いた家が次々に建造されましたが、時代を経た今、かつての沖縄県らしい住宅が注目されています。減りつつある赤松が発展する見込みは薄いですが、今後に期待はできる余地はあるわけです。

 

 
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