長崎県の赤松の取引状況(2019)

 

長崎県は五島列島をはじめ、対馬や壱岐島などの離島を数多く含む県です。47都道府県の中では最も島の数が多いのも長崎県の特徴の一つ、多島であるだけでなくリアス式海岸を有することからも海外線の長さは日本一もしくは第二位ともいいます。2019年6月1日時点の推計人口は1,328,478人、70歳以上の割合も多くなっているようです。平成27年度の調査結果の中での産業の割合ですが、第一産業は2.9%と低く、第二産業が23.6%、第三次産業が73.1%です。

 

赤松は樹形をコントロールしやすいなどの理由から、庭木として栽培が行われたり盆栽の樹種に選択する人も多い種類です。長崎県は海に囲まれている離島も多く、防風林などの目的でマツ科の植物の植栽が行われている場所が数多くあります。赤松は主に建材として使用されることが多い樹種で、建築物の針や敷居の摩擦部分、和室の床柱などに最適とされます。さらに、土の中でも腐食しにくい特性を持つなどからも土中杭で利用されることも少なくありません。昔の赤松の林は常に人が入る環境で、落ち葉や枯れ枝が燃料に使えるなどの理由から持ち出され続けていたといいます。これは林床が貧栄養化して乾燥状態を導く、他の植物も成長しにくい状態になります。

 

長崎県の保有林面積は218,000ヘクタール、杉やヒノキなどの人工林は42%でその他の天然林は58%の割合です。赤松は天然林の中で管理が行われる樹種でもあり、取引状況としては決して多いものではありませんが長崎県産の赤松の流通は少なくないのです。長崎県の総面積の約6割が森林で、木材の産地ともいえる県です。ヒノキや杉などの樹種の取引状況は活性化が行われていますが、赤松などのマツ科のものは森林面積が全体の2%で森林蓄積の割合においては僅か1%です。ちなみに、赤松はマツタケが生える環境の場所に生息する植物でもあり、赤松の木が多い山にはマツタケが多数点在するともいいます。

 

 
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