鳥取県の赤松の取引状況(2019)

 

鳥取県は日本海に面した県域で南には中国山地が広がり、西にはシンボルの山・大山がそびえています。県土の約73%が樹木が生い茂る森林地帯になっており、その面積は約25万6千haに及んでいます。
つまり豊かな自然環境が溢れている県であり、その森林を活用した林業も発展する土壌もあるのも確かです。また全国的にも戦後の復興期に植栽が行われましたが、同じく鳥取県内でも伐採による林資源の減少を防ぐ取り組みで植栽が行われています。
植栽が行われた人工林が2019年度も利用可能な時期を迎えているのも確かで、杉や赤松、桧などの木材を供給することが可能です。しかし林業を取り巻く環境の悪化などの事情により、十分に手入れができていない状況でありそれが課題になっています。
鳥取県内の民有林は約54%の割合で人工林で、間伐などの手入れを行ったのは2012年の5,476haをピークにして減少している実態もあります。また赤松も手入れを行うべき8〜11齢級が多数を占めており、取引状況の改善には間伐などの手入れを行き届かせることが急務です。
近年の素材における赤松の取引状況においては、かつて1990年には杉とほぼ互角の取引量でしたが、2012年以降は杉の取引量の増加が著しくなっています。1990年度には約7万u存在した取引量が、2012年以降は1万uと大幅に減少しているのも特徴的です。
鳥取県内での素材需要でも安価の外材が圧倒的な供給量を占め、他にも県外産もよく見られます。ただ地元の鳥取県産の木材を利用しようとする動きもあるため、外材や県外産の木材の割合が多いものの県内産の木材の供給量も増えております。
新築木造住宅の着工でも木造は、年間1,500戸を維持しており、2019年度も消費税増税の駆け込みなどで同じ水準での木造住宅の着工数が見込まれます。赤松の取引状況が以前と比較して振るわない状況をもたらしているのは松くい虫による被害の拡大があり、赤松林面積は約30,000haですが、そのうち約半数以上で被害があり、その対策が必要不可欠です。

 

 
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