東京都の杉の取引状況(2019)

 

東京都はコンクリートジャングルのイメージが強いエリアではありますが、都内の中でも東京市エリアにおいては奥多摩や高尾山エリアなどのような山地が形成されているエリアも多くあり、都心部から1時間前後で自然が豊富にある場所に行くことができます。東京都の多摩エリアにおける杉などの人工林に林齢構成を見たとき、51年から60年生の林齢が最も多く、これに続くのが41年〜50年生や60〜70年生の樹木が多いといわれています。

 

東京都では森林の再生を図る試みを行っており、失われかけた自然を取り戻すための様々な工夫を行っているといいますが、今後も木材の取引価格が上昇する見込みは低いとされており、林業自体のコスト削減への取り組みも行われていないのが現状です。東京都では木材の伐採を民間にゆだねることができないと判断、これにより2006年から10年の中で木材の主伐事業をスタートしているようです。杉は花粉症の最大の原因になる樹木でもあり、東京都では花粉症発生源対策に重点を置く、この事業の中では多摩エリアにおける杉の伐採が計画的に進められており、伐採後の山地には花粉の発生量が従来と比べたときに100分の1の量になり得る杉の植林を行ったといいます。

 

東京都における杉の取引状況ですが、伐採により木材の安定供給を図るなどからも木材の販売収益を活用して森林の植
栽や保育を促進する試みを行っているようです。尚、若木ともいえる生長が盛んな杉は二酸化炭素の吸収効果を期待することができるメリットもあり、東京都市部における環境保護への貢献を果たせる、地球環境の悪化を遅らせる効果も期待ができます。ちなみに、東京には多摩産材と言われている杉などの木材のブランドが登場しており、2006年4月より多摩地域で生育した適切な管理が行われている森林から伐採が行われたものは、多摩産材として認証する制度をスタートさせており、その取引状況は年々増えているのが特徴です。

 

 
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