群馬県の杉の取引状況(2019)

 

群馬県は南北の気温差が激しく、標高差も大きい地域が目立つので県内では地域によって気候が異なります。
この理由は県内を覆っている気候が日本海側気候や中央高地式気候、さらに亜寒帯湿潤気候など様々な気候が絡み合っているからです。かといって過ごしやすい温暖な地域はなく、雪は少ないものの、風が強い土地もあれば真冬日はないものの、夏は厳しい土地のようにそれぞれで一長一短あります。
そんな群馬県において杉は珍しくない樹木であるものの、取引状況に加えられるほど目立った存在でもないです。
そもそも日本の固有種である杉は古来から生育されており、おまけに林業が全盛期を迎えていた半世紀前に山や森林ができるほど積極的に植林されています。実際、国産の木材における数ではトップクラスです。現在はホームセンターで販売されているDIY用の素材や建築の天井板、さらには割り箸や工芸品の材料に用いられています。加工しやすいところが親しまれているものの、群馬県ではこの樹木を用いた工芸品もなければブランドの看板もないです。
ブランドの杉と言えば京都府の北山杉や三重県の尾鷲杉などが挙げられます。
ブランドと称されている木材は高品質さが特徴的で北山杉は丸太のまま用いられるほどです。しかも、隣接している栃木県でもこの樹木がブランドとして扱われています。とはいえ高品質なものほど手に入りにくいため、ホームセンターで販売されているものはお手頃な素材です。付け加えるなら群馬県の工芸品と言えば伊勢崎絣と桐生織が有名であるため、どうしても需要と供給が不釣り合いになっています。
気候や自然環境は悪くないですが、群馬県における杉の取引状況はいまいちといったところです。
また工芸品の材料になる傾向もないため、取り扱われる将来性もないのが実際のところとなります。もっとも杉の取引状況が盛んである宮崎県や京都府などと比較した場合であるため、群馬県にすれば衰える気配がないのは良いと捉えてもいいかもしれません。

 

 
トップへ戻る