北海道の杉の取引状況(2019)

 

北海道では林業や木材産業に携わる人々の経営改善などの取り組みを行っており、その一つに無利子で資金の貸付を行う政策を打ち出しています。貸付限度額は個人が1,500万円で法人が3,000万円、団体においては5,000万円を上限としており木材生産に係る事業を実施する場合においては1億円の貸付を無利息で行っているようです。資金を利用可能にする取り組みには生産性や品質向上、新しい事業展開に必要となる機械や施設導入、林業労働に従事する人々の安全衛生および福利厚生に欠かせない作業具や施設導入などが挙げられます。

 

北海道の杉の取引状況は、こうした貸付の取り組みにより活性化が行われているのではないかなどのイメージを持つ人も多いのではないでしょうか。奈良時代に作られた日本書紀の中では、杉やクスノキは舟・ヒノキは宮殿・マキは棺に使うとされていたといいます。現在、日本の国土面積の約7割は森林面積であり、その中でも人工林の面積は森林面積の約4割です。人工林面積の約7割は杉やヒノキ林で、面積が広い北海道においてはその割合は高いものとされます。それ故に、北海道での杉やヒノキの取引状況は大きいとされているわけです。

 

しかしながら、北海道の人工林面積は岩手県や秋田県と比べると少ない、むしろ全国規模で比較をすると面積は広いとされるものの、人工林の面積はそれほど広くはありません。ちなみに、ヒノキは北海道や沖縄県などではほとんど見ることができませんので、林業の中心となる樹木の種類は杉です。尚、森林は国土の保全や水源のかん養、自然環境の保全や地球温暖化の防止など、他にも林産物の供給などの様々な機能を発揮するもので、北海道の森林面積は全国規模から見たときには約1/4の割合を持つといわれており、森林に期待する役割が高いエリアであることがわかります。中でも、道民の森林に期待する役割においては地球温暖化防止や国土保全による期待が高い、水源かん養や森林生産に対する期待も増加傾向を持つといいます。

 

 
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