長崎県の杉の取引状況(2019)

 

長崎県は森林の面積が6割を占めています。
樹種で多いのは杉と桧です。
針葉樹の杉は軽くて柔らかいのが特徴で、割って角材から板材まで作ることができます。
比較的簡単に加工できるため、現代社会のように大型機械がなかった時代から利用されています。
容易に乾燥することができ、心材に独特の芳香があるので木の香りを楽しむことができます。
杉は様々な分野で活用されていますが、特に多く使われているのが建築関係です。
建築の建造材や天井版、建具によく利用されています。
杉で作った樽や割り箸、桶も人気があります。
柔らかい樹種ですが、高度な技術が開発され家具製作の現場でも利用されることが多くなっています。
最近は圧縮して強度を高めた木材も好評です。
日本だけに生育する杉は古くから日本人の生活に関わってきた樹種で、植林が始まったのは室町時代です。
杉は木目が美しく湿度を調節する機能も優れています。
湿度が低い場合は水分を放出し、湿度が高い場合は水分を吸収することができます。
優れた保湿機能がある木材は湿気や結露を防ぐため、カビやダニも防ぎます。
酒に香りをつけるために、酒を入れる樽に使っている酒造会社もあります。
海の玄関口でもある長崎は、昔から中国や韓国との貿易が盛んです。
現在も地の利と貿易の歴史を活かして中国や韓国に杉や桧の木材を輸出しています。
長崎県の木材は品質が良いため、海外でも評価が高いです。
輸出量が伸びたため、長崎県の林業にも活気が戻っています。
長崎県は他の県と比べて地形が急峻なので、林業を行うには厳しい環境でもあります。
一時は林業に従事する若者が減っていましたが、最近は高性能林業機械やIT技術が導入され、労働負荷が軽減されています。
生産性も向上し、国内外の需要が高まっているため杉や桧の取引状況も好調です。
需要をさらに拡大させるために、長崎県ではニーズに合う製品づくりをサポートするなど様々な取り組みを行っています。

 

 
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