福岡県の杉の取引状況(2019)

 

福岡県の人工林面積は12万8千haもあり、その9割以上が杉またはヒノキ林となっています。このうち建築材料として利用可能な樹齢41年以上の森林は9万5千haと全体の7割を占め、今は生長量が伐採量を上回っているため、杉の蓄積量は増加を続けています。

 

福岡県には、うきは市という林業の盛んな地域に杉工場があります。ここでは明治時代から主に学校で使う机や椅子などの学校家具を多く製造しています。近くに同じく林業のまち日田市(大分県)があり、日田の杉も良木として有名で九州の杉産地の2つの代表エリアが並立しているという林業に恵まれた環境です。福岡や日田の杉はしっかりしていて、手触りがなめらかで香りも良いため、机や椅子、家具などの他、風呂桶や酒樽としても活躍しています。福岡には城島という酒蔵で有名な土地も存在し、酒開きのお祭りも毎年開催されています。

 

杉の取引状況ですが、10月から消費税が上がりそれに絡む住宅の駆け込み需要で取り扱い量に比例して平均単価も上がります。2万円台から3万円台くらい期待できます。ところが、心配なのがその後の取引で過去にも消費税導入からしばらくしたら、2012年には9千円台まで落ち、さらに2017年には台風被害木が流入して平均単価はさらに7千円台まで落ち込みました。最近までは1万円台をなんとかキープしていましたが、10月からの10%消費税導入の影響で今は3万円台で推移しており、取扱数量も一時期30,000?まで落ち込んだ年もありましたが、現在は50,000?を超えて推移しています。

 

大川市は日本有数の木工産業が盛んなエリアであり、歌手の大川栄策が歌番組で箪笥を担いだシーンは有名であり、俳優の陣内孝則の出身地としても有名です。大川市には家具メーカーに限らず、製材・加工・塗装・配送と木工産業に関するすべての工程の産業が多く集まっています。ここで地域木材を使用した新開発プロジェクトが新たに始まろうとしています。センダンなどの早生広葉樹と杉を組み合わせたハイブリッド材を使用して家具やインテリアを製作するプランです。

 

 
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