高知県の杉の取引状況(2019)

 

高知県は昔から林業が盛んな県のひとつで、現在でも品質の高い杉と桧を供給しています。
土佐の木材は全国的に有名で、豊臣秀吉に杉と桧を献上した歴史があります。
高知県の森林は、森林面積率が全国でトップです。
人工林率も高く、全国で第2位を確保しています。
土佐の豊かな森と清浄な水は、良質の杉と桧を生みます。
高知県の民有林のうち、45年生を超えている森林は8割もあります。
植栽から保育までの健全な森林の造成と、様々な森林の整備が行われています。
森林には様々な機能がありますが、森林が持つ機能を発揮させるために間伐が必要になります。
高知県では、木材の搬出を中心とした間伐方法にシフトしつつあります。
林業の世界では、高度な通信技術やロボット技術の導入が進んでいます。
林業生産の現場では林道の整備も重要です。
県では、林道を補完する作業も積極的に行っています。
平成29年度末の時点で森林組合が23あり、各組合は林産物の生産や森林の整備に取り組みます。
高知県森林組合連合会は南国市に本部があり、9つの木材共同販売所を持っています。
木材共同販売所が開設されたことで、木材をスムーズに流通させることができます。
高知県の木材産業は、優良な森林資源のおかげで好調です。
杉の取引状況も、引き続き安定しています。
平成29年度の林業産出額は約92億円と大きな額になっていますが、この額は前年に比べて約9パーセント増です。
林業産出額の約8割弱が木材生産によるものです。
生産量が増えたことで木材産出額も増えています。
高知県でも注目されているのがCLTを使った建築物です。
CLTはヨーロッパで開発された工法で、板の層を互いに直交するように積層接着したパネルを指します。
高い寸法安定性を得ることができ、断熱性に優れています。
国産の杉でも十分な強度を持つCLTパネルを制作することができます。
杉は軽くて断熱性があるので、CLTに適しています。
高知県内ではCLTの普及が進み、中高層ビルへの活用も期待されます。

 

 
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