山口県の杉の取引状況(2019)

 

山口県は、中国山地が東から西へ県の中央部を貫く形となっている地形から、県土の7割を山林が占めるという緑豊かな自然に囲まれた風土となっています。このような土地柄ですので、杉やヒノキなどの森林資源が豊富にあり、特に杉については、その昔には奈良の東大寺の修復工事に使用されたという実績もあり、優良な木材が算出される状況です。
この山口県の杉の取引状況ですが、県の調べによると原木の価格では、令和元年8月時点で長さが3メートル程度で、径が14センチメートルから16センチメートル単位のもので約13000円程度となっています。これがもう少し大きいものとなり4メートル程度で径が18から22センチメートル程度のものであったとしても金額的には変わらず、13000円程度で取引されている状況です。
この価格を他県他地域と比較してみると、3メートル級の木材では九州、徳島産のものもほぼ13000円前後であり、そこまで価格差がない状況ですが、岡山の美作産のものは11000円を下回る程度の金額であることから岡山のものと比較すると高い価格となっています。さらに4メートル級の木材で比較してみると、九州産のものはほぼ同じ価格ですが、徳島産は16000円程度であり、価格が高くなっているのに対し、美作産のものは11000円弱という価格であることから山口県産のものより価格が安い状況です。このランクではある意味で徳島産のものはブランド化し、高値でも取引してもらえるものであるのに対し、価格競争で見てみると岡山の美作産のものよりも高くなるという位置づけとなっています。このような状況をふまえ、山口県では優良な県産杉のブランド化を図るために有料県産木材スギとして木材乾燥が20%以下で強度等級がE70以上のものを優良県産木材として認証し、付加価値が高いものとして販売していく対応をしています。実際に、この優良県産木材で家を建てた場合の補助事業などが行われているのです。

 

 
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