広島県の杉の取引状況(2019)

 

広島県は県土面積の約7割が森林で、豊かな自然に恵まれています。
民有林面積のうち人工林は約3割で天然林が7割弱です。
県北部は広葉樹林が多く、特に多いのが杉と桧です。
人工林の中で製材用に用いられるのは杉と桧で、8割以上を占めています。
昭和30年以降に植栽された広島県内の人工林は、伐採に適した時期に達しつつあります。
生産量は調査を開始した平成22年から増加しています
最近は国内外での杉の需要が増えていることもあり、取引状況は安定した状況です。
広島県で生産された木材は、4割弱が木材加工施設へ直送されます。
木材販売会社と原木市場が約2割で、県外への移出は2割弱です。
工場直送の比率は上昇傾向にあり、広島県内で生産された木材のうち県内で消費される木材は半分程度になります。
広島県では林業を活性化させるために様々な施策を行っています。
農林水産業アクションプログラムは、平成32年度県産材生産量40万立方メートルが目標です。
目標を達成するために、森林資源経営サイクルを構築しています。
森林資源経営サイクルでは林業経営に適した事業地を明確にし、安定的な木材生産を推進します。
計画的に再造林を推進することで、良い森林サイクルが循環するようになります。
生産から流通、加工までの安定的な流れを作ることでコスト削減も図ることができます。
コストを削減できれば、木材の価格競争力を向上させることが可能です。
広島県では森林の所有規模が小さいため、効率的な森林経営が難しくなっています。
個別施策では、経営サイクルの確立に向けて林業経営適地の集約化を推し進めます。
航空レーザー測量を活用すれば、資源の状況などから林業経営適地を特定することができます。
県産材の利用拡大も個別施策のひとつです。
広島県は県産材の消費拡大を推進しています
県産材を利用するなど条件をクリアすれば、住宅メーカーに補助を出します。
県産材を使って住宅を建てるメーカーが増えたことで、県産材製品の利用が大幅に増えています。

 

 
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