兵庫県の杉の取引状況(2019)

 

兵庫県には、森林や木材を生産しているイメージは少ないかもしれません。
しかし県土の7割は森林に覆われていて、そのうち4割は杉と桧の人工林です。
都市のイメージが強い兵庫県ですが、実際には森林資源が豊富なエリアであることが良くわかるでしょう。
兵庫県でもその他の都道府県と同じく、戦後や高度成長期に国内の木材需要に応えるため盛んに植林が行われました。
その結果、現在ある人工林の約6割は収穫可能な樹齢46年以上の森林ばかりです。
単純に森林面積や人工林が多くあるだけではなく、兵庫県は資源が眠っている地域と言えます。
しかし兵庫県での杉の取引状況を見てみると、資源が眠っているのに低迷しています。
このままではせっかく収穫可能になった杉をムダにしてしまうので、兵庫県では地元の木材を積極的にPRしてきました。
また木造住宅に兵庫県産の杉などを使うと融資を行ったりと、行政としても積極的に支援してきました。
ですが木造住宅の需要は、今後は人口が減少していくのでそれに伴い住宅の着工件数も減ると考えられています。
そのため新しい需要を開拓するため、非住宅分野への進出も進めています。
非住宅分野は木造率が非常に低く、ここに兵庫県産の杉を使ってもらえば市場も活発になるでしょう。
取引状況も現在より回復して、眠っている資源を有効活用できると考えられています。
新しい需要とともに取引状況が良くなり成長した杉の木も伐採されると、山の環境も守ることができるでしょう。
森林面積が広い県内には、森とともに山も県土全体に広がっています。
生長した杉の木をそのまま伐採せずに放置しておくと、山は荒れ果てる一方です。
雨が降ったときも土壌に雨水が浸透せず、表面を流れて土砂を削り取っていきます。
その結果土砂災害も起きるリスクが高まり、災害の被害も大きくなるでしょう。
安心した暮らしを県民が過ごしていくためにも、山の環境を守る杉の取引状況は重要なポイントです。

 

 
トップへ戻る