大阪府の杉の取引状況(2019)

 

大阪府は西日本を代表する都市で、経済・学術・産業の中核を担っている地域です。貿易に関しては大阪市港区にある南港と一部を神戸港が担っており、連日世界各国に向けての輸出と輸入をおこなっています。大阪府で取り扱っている木材は杉・赤松・桧の3種類で、主に奈良県・和歌山県・三重県で伐採されたものです。2019年5月の大阪府の杉の取引状況は、約620万トンとなっており前年度の11%アップで過去最高の取引高なのが報告書から見て取れます。杉に至っては全国47都道府県の中でも1位を記録しており、杉の供給を一手に引き受けているともいえます。取引先は国内だと関東・東北地方となっており、海外では中国・マレーシア・フランスの3か国のほか、アメリカとカナダが数%単位で輸入をしています。大阪府では1965年頃から近畿各県で伐採された木材の取引をおこなうようになりました。そのため大阪市港区には広大な面積の貯木池も整備しており、各県から持ち込まれた木材を長期保管できる環境を整えています。木材取引センターは港区の南港地域にあり、同敷地内には加工場も設けています。丸太または角材にして取引先へと運び込まれますが、この加工費用も卸値にプラスされるので全国の相場よりも幾分かは高値になっているのが特徴です。しかし海外輸出の際はコンテナ船に積み込みやすく、現地で加工をせずに使用できるという利便性を重視されているので取引の際の障害になっていません。大阪府の杉は状態がまばらで、住宅用建材から家具や割り箸といった加工品向けのものまで多種多様です。用途別で木材を求める方にとっても魅力的な市場と呼ぶことができるでしょう。2019年以降の大阪府の杉の取引動向は、今後も高い水準の取引高を記録していくと予測されます。なお国内向けの住宅建材は木材の需要が減少傾向にあるので、中国・マレーシアといったアジアへの輸出高が国内需要率を上回る可能性もあります。

 

 
トップへ戻る