三重県の杉の取引状況(2019)

 

三重県の杉に関する取引状況は、県が率先して行っている多くは建物等住宅用建材目的に用いられる用途の杉や檜等の育成や、生育に欠かせない定期的に行われる伐採、材木の加工から使用に至るワンストップ化対策がその鍵を握るものです。現況としてはまだまだ海外生産の低価格なパイン材等、輸入建材が市場では大きく幅をきかせている様な状況です。三重県は県内全域64.5パーセントを森林が占めているように、三重の風土及び気候を含めその環境が森林育成に非常に適しており、日本全体から見ても有力な林業地域の一つとして発展を遂げてきた実績があります。しかし近年度重なる世界的にも危機的な防ぐ事が困難な自然災害等、異常気象がもたらす森への悪影響や林業に携わる労働者の高齢化問題も杉等の将来にわたる取引状況を心配させる大きな要因の一つとなっています。年々上昇傾向にある森等木に関するあらゆる生産コスト、鹿やクマ・猪等野生動物が及ぼす被害や、病害虫等による影響等、これらに関する対策費用等採算が合わないという現状により林業労働者数も減少している様な状況と言えます。既に手付かずの状態を呈した荒れ果てた森林も多く目の当たりにする中、これらの再生にも多大なる費用が必要です。一方三重県は森林法等定められた法令規定に基づき、森林審議会の開催を行っており、森林づくり基本計画に基づく実施状況の報告、展示体験イベント等の他、林業に関する多様な研究を行っています。またみんなで支える森林づくりと称し、子供達を中心に三重県の森林を学び育てる様々な活動を積極的に行っており、この様な県の森林に関わる活動が将来杉等材木取引にも何らかの影響を与えるのは必須であります。近年木材にも住宅建材として相応しい、優れた耐火機能を持つ材木資材の新たな研究開発に大きな期待を寄せる中、三重県においても杉を中心とした廃材利用を含めたこれら材木取引全体の活性化と発展が予想されます。

 

 
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