愛知県の杉の取引状況(2019)

 

愛知県では、推奨品種を決めて杉の植林を進めています。
また国民的なアレルギーとも言える花粉症対策のため、花粉の少ない杉の植林にも力を入れてきました。
こうした愛知県の取り組みが実を結べば、春に花粉症で悩まされる人は少なくなるかもしれません。
このように愛知県がさまざまな取り組みを行っている杉の取引状況は、農林水産省が毎月公開している資料からわかります。
資料に書かれている愛知県の杉に関する項目は、製品卸売価格の製材品価格です。
それによると愛知県の杉は、スギ正角乾燥材のみ公開されています。
スギ正角乾燥材には2種類あり、大きな違いとしてはサイズです。
厚みや幅、長さによって公開されている取引状況が異なり、小さなサイズだと愛知県は全国平均をわずかに上回る程度です。
全国の取引状況と比べてみると、平均的と言えるでしょう。
前月比と比べても変わりはないので、安定した取引状況と言えるかもしれません。
一方サイズの大きなスギ正角乾燥材は、愛知県は2019年の全国平均を大きく下回っています。
最新の調査結果では、公開されている都道府県の中では最低価格となっているほどです。
ですからサイズが大きなスギ正角乾燥材の取引状況については、良好な状態とは言えないでしょう。
前月比と比べてみても横ばいですから、取引状況が悪い状態が2019年は続いていると考えられます。
しかし全体的に愛知県産木材の取引状況が悪いのかというと、他の項目を見てもそうとは言い切れません。
ヒノキに関しては全国平均と同じぐらいだったり上回ったりしているので、サイズの大きなスギ正角乾燥材だけの減少と言えます。
杉は県も推奨品種を決めて植林を推奨していますから、特定の部分のみの取引状況が悪いのは良い状態とは言えません。
他の都道府県では上昇しているところもあるので、このままでは取り残される恐れがあります。
今後の価格推移については、要注目のポイントと言えるでしょう。

 

 

 
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