岐阜県の杉の取引状況(2019)

 

岐阜県は、日本のほぼ中央に位置し山や川といった自然が豊かな地域です。県庁がある岐阜市の西は滋賀県と三重県に隣接する西濃地方で、東は長野県の木曽に隣接する東濃地方があり、この二つの間は中濃地方と呼ばれています。岐阜県の北は飛騨高山や白川村に郡上などがあって、飛騨地方や美濃地方と呼ばれる地域で例年冬は降雪があるのが特徴的です。そして、岐阜県の森林率は80%を超えていて全国では上位になり、森林面積も800千haを超えるものです。杉も豊富で飛騨高山方面や西濃に東濃などで育っています。岐阜県の杉の取引状況ですが、多くは県内で取引されていて東海地方などに取引の需要が多くみられます。製材された杉が県内外に供給されている取引状況です。
岐阜県は木曽川と長良川と揖斐川の木曽川水系が三つありまして、何れも一級河川で木曽三川と呼ばれており森林に加えて水資源が豊富なところになります。たとえば、木曽三川の一つである長良川が流れ込んでいる郡上付近には、「長良杉」と名付けられた美しいと評判の良い木があります。その美しさの理由は、樹齢が長いほど木目に現れるという赤身とその外側を覆っている白身の具合がきれいなためです。木の中心部に見られる赤身には栄養分がたくさん蓄えられていると言い、強さもあって虫やカビなどの影響を受けることが少ないと言われています。
岐阜県の杉には、西濃地方にあたる関ヶ原町今須地域に育っている、年輪が細やかで軌跡(きせき)の木目として知られている「今須杉」があります。この土地の気温は一日の間の気温差が比較的大きく、雪も例年積もる地域です。気温が年間を通じて低い傾向のため、杉の成長が緩やかになり木目が細かく育つと言います。加えて、伐採方法も工夫されていて節目が少なくて美しい「今須杉」が成長するのです。岐阜県内には複数の製材所があって、県内や県外に向けて質の高い製材が数多く流通している取引状況にあります。

 

 
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