栃木県のモミの取引状況(2019)

栃木県では、現在杉や桧に代わる様々な木材の生産を行っており、その中でもモミが非常に好調です。非常に品質が良く加工技術も優れていることから全国から注文が殺到しており、その取引状況は非常に好調なものとなっているのです。
モミは古くから様々な場面で調度品や日用品に利用されてきた日本人にはなじみの深いものです。特に冠婚葬祭などではその美しさから神聖な木とされることも多く、重用されてきました。日本は様々な祝い事も多く、またこれらの式典の際には縁起を担ぐために伝統的な調度品を利用すると言うこともあるため、モミはその需要が非常に安定している傾向にあるのです。これには日本人が白く純粋なものを好む傾向があり、モミの無垢な色合いがその純粋さを表現していると考えられることによります。
栃木県は比較的山間部が多く、原木の生産も古くから盛んです。杉を中心に生産を行ってきた経緯がありますが、近年の木造住宅の建設の減少によりその需要が低下していることもあって栃木県の林業全体の売り上げは低迷する傾向にありました。そのため県は杉に変わる林業の中心となる品種を模索する中で、代表的なものに挙げられたのがモミとなっています。モミは古くから様々な需要があり、またこれらが祝い事やその他の行事に属するものであることからその需要の減少があまり見込まれないことや、近年の住宅の傾向で内装に美しい木材を利用し装飾を行う傾向が強いことなどから、これらの用途にモミを効果的に利用することが可能であると言う点です。さらにこれらの事業においては製材技術や加工技術が非常に重要となりますが、栃木県はこれまで周辺の大都市に多くの木材を販売してきた実績から、製材技術や加工技術はように高いものを持っており、安定的に供給できるなどが重要なポイントとなりました。そのため栃木県のモミの取引状況は非常に芳しいものとなっており、利益性の高い製品として注目を集める状況となっているのが実態です。