宮城県のモミの取引状況(2019)

 

宮城県は東北地方の県の1つであり、仙台市は東北地方屈指の経済規模を持ちます。このような特徴から、宮城県は林業が盛んではないというイメージをもたれることもあります。しかしながら、仙台市以外の市では林業が盛んに行われています。宮城県内の林業の地域割合は秋田県や青森県に次ぐ規模となっていて、林業の盛んな県ということも出来ます。宮城県内のモミの林は国有林、私有林、民有林という3つに分類することが出来ます。このうち宮城県内に多いのは私有林です。つまり、国有林のように公の組織が自由に管理できるものではありませんが、私有林には跡継ぎの問題があるため今後安定的もモミの生産が出来るかについては、不透明な情勢になっていると言えるでしょう。しかしながら少なくとも現況では供給量が減るようなことがなく、様々なところに購入している個人や企業があります。宮城県内にある林のうち、モミの生産を行っているのは20%程度です。これは比較的多い部類に含まれます。最大の規模を誇る杉ですら35%ほどとなっており、モミはそれに次ぐ規模になっています。震災からの復興などの折には柔軟性の高いモミがよく使用されていました。耐震意識の高まりもモミの生産を支えていると言えるでしょう。それゆえにモミの取引状況はある程度盛り上がっているというのが大方の見方です。

 

モミに関わる林業経営者の中には家族経営というスタイルの方も多いです。また、副業として林業に携わっている方も少なくありません。昨今の機械化により週末以外は人の手無しでも育てることが出来ます。ただし、毎日人の手で管理された木材と、週末だけ管理を受ける木材では取引価格に差があります。高価な木材を生産するためには、人の手でじっくりと管理する必要があると言えるでしょう。今後機械化が進めばますます生産量は安定する可能性がありますが、品質をどこまで人の手による生産に近づけることが出来るのか、注目を集めています。

 

 
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