岩手県のモミの取引状況(2019)

 

岩手県は東北地方の沿岸部に位置し、北・西・南を青森県と秋田県それに宮城県と接しています。総面積は、1,527,501ヘクタールと、北海道に次いで日本で2番目に広い面積を持っている県です。県民の多くが住んでいる内陸部の北上盆地や海岸部以外の地域は、山地や丘陵地となっていて、森林面積は総面積の77パーセントと緑の多い地域です。林業が盛んで豊富な森林資源を持っていることから、木質バイオマスエネルギー利用の促進にも力を入れています。

 

岩手県の林野面積は1,171,446ヘクタールです。そのうちの人工林の面積は488,680ヘクタールで、約42%、国有林が占める面積は392,000ヘクタールで、民間林の面積は784,000ヘクタールとなっています。岩手県は、豊富な樹種の木材を生産していて、広葉樹が47%アカマツが21%スギが19%、カラマツが8%、そしてそのほかの樹種が5%の割合です。モミは建具や家具などに利用されます。岩手県のモミの取引状況ですが、県内にある林業経営体数は全国2位の8,795経営体で、県内の市町村から経営管理実施権の設定を受け「岩手県意欲と能力のある林業経営体」として選定登録されている経営体は2019年9月時点で81あります。

 

岩手県で生産されている樹木の約半数近くが広葉樹であり、針葉樹もアカマツ・スギ・カラマツが生産量全体の半数近くを占めていることを考えると、マツ科モミ属の生産量はその他の樹種と比べると多くはありません。しかし本州のモミ自生域の最北端であり気仙地方ではブナとモミが混ざって植生されている森や原生林もあります。国宝姫路城でも使用されていたモミは建築材料として使用されるほか、長野諏訪大社の御柱祭でも用いられる木材で白い木目の美しさを生かし冠婚葬祭で使用される結納台や棺・卒塔婆などに加工され古くから活用されています。また葉や枝からは精油を抽出しアロマとして利用されています。

 

 
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