香川県のモミの取引状況(2019)

 

香川県の木材の生産は昭和50年度を境に減少傾向にあります。その中で県はこの状況を打開するための様々な施策を講じており、その中にモミの生産量を増やすことで様々な用途に応じて出荷する体制を整えて利益を上げることを試みており、これが近年軌道に乗っていることで取引状況が非常に香ばしいものとなっているのです。
香川県は瀬戸内海に面し気候も非常に温暖で、海の幸が有名なところでもありますが、実際には県の70%が山林地域であり、林業も非常に盛んな県でもあります。そのため戦後の高度成長期には杉や桧の植樹が推進され、その生産量も非常に大きなものとなっていました。高度成長期のマイホームブームによる木造住宅の建築ラッシュが主な背景にありますが、これも昭和50年代以降マンションブームやその後のバブル崩壊などにより住宅の購入を控える人が増えたことにより、木造住宅の建築が低迷することになったのです。これにより建材の需要が極端に減ったこと、加えてコストを低くするために輸入木材を積極的に採用し安価な木造住宅が広まったことなどから、県内産の杉や桧の需要は極端に落ち込みました。そのためこれに代わる木材を模索した結果、様々な品種の中で古くから日本で使用されているモミの需要を増やすことでその効果を得ようと考えられた面があったのです。
モミは古くから神事にも利用される非常に神聖な木材ですが、香川には金刀比羅宮もありその需要が身近にあったことなども1つの背景となっています。また、モミの木は非常に軽く加工がしやすいことから繊細な加工を施すのに最適であり、マンションや鉄筋の住宅が増える中で内装は生の温もりを感じたいと言う人にとっても非常に重宝されるものとなったことからその需要が格段に高まりました。そのため現在では香川県のモミの取引状況は非常に活発なものとなっており、全国的にもその好調が維持することができるものと期待されているのです。

 

 
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