京都府のモミの取引状況(2019)

 

京都府の森林面積は約34万haに及び、総土地の面積に対しての割合は約75%というように全国平均よりも大きく上回るのが特徴的です。また所有形態については、約98%も民有林が占めており、京都府の森林計画においても二つの地域に分けて計画されています。
府の南部エリアに相当する淀川上流森林計画区と県の北部に相当する由良川森林計画区の二つの区域に分けられ、森林面積のほとんどが計画区域に属します。モミは常緑針葉樹に分類される樹木ですが、針葉樹ではスギ・ヒノキ・マツが生育面積が広く、その他の針葉樹ではモミが該当しますが、その面積は森林面積でも0.3%以下になり京都府内では少ないのが特徴的です。
一方、モミの生育の特徴にはモミが集中するモミ群生を形成することもあり、京都府内の山地でもよく見ることができます。主な分布場所には比叡山・大悲山・大原・綾部市君尾山中腹などに分布し、人手があまり入らない場所に見られるので、その面積が変化することもなく、壊滅の脅威は受けにくいです。
京都府内には総土地面積に対しての森林面積の割合が高いこともあり、しかも歴史的な建造物が多く残るエリアで過去にもその建築に密接に繋がっていた経緯も見られます。府内には多くの取引市場が開設され、また原木の加工場などの施設も他県と比較すると数が多い傾向が見られます。
それでも丹波地域の木材を扱う市場が閉鎖の危機に見舞われたこともあり、海外産の格安で良質な材木の輸入による打撃を受けていたのも事実です。近年は国産材の見直しの動きも見られ木材取引状況でも徐々に増え、蓄積においてもトータルで2018年度の時点では約7,742万uとなり、2019年度もその蓄積量もほぼ変化がないです。
モミは群生が存在する側面からも天然木で認識され、蓄積量に関しては約7,742万uの0.4%ほどに留まるのが実態になります。やはり北米やロシアなどからの輸入材の占める割合が強い樹木で京都府でも顕著であり、建築資材などの用途における取引状況においても海外産のモミの木の割合が高いです。

 

 
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