滋賀県のモミの取引状況(2019)

 

滋賀県の森林面積は約20万haを占めており、県土の約60%が樹木に覆われた地域性が存在します。森林の約43%が人工林、天然林が53%で残りの4%が竹林になっているのが現状で、人工林の主体はスギとヒノキの割合が多くなっています。
2019年度においても人工林の現況は、ほとんど変わらないのが実情です。ただ県内には天然林も多く見られため、人工林と天然林が共存する形で生態系を壊さずに生育しております。
モミの木は天然木により伐採することが可能ですが、幅広い用途備えた木材の種類です。常緑針葉樹に該当することで木材の目が鮮やか、しかも白い明るい色をしており無臭で清らかな感覚を与えてくれる特徴があります。
建築などで利用されている他に、棺や塔婆、パルプ材などで活躍している樹木です。滋賀県内には歴史的にも多くの寺社仏閣が見られる地域性も存在するため、塔婆などでも県内のモミを利用されることもよくあります。
なおモミは国内の取引状況でも微々たるもので、ほとんどが北米やロシア産などの輸入材で賄われている現状が見られます。つまり国内産の取引状況の中でもその占める割合が少ないのが特徴的になっていますが、近年は国産材の積極的な活用が期待されています。
それでも国内産のモミが取引市場で出回ることは少なく、国内産を入手する場合には相場が割高になる傾向が見られます。滋賀県内の針葉樹の代表格は、スギ・ヒノキ・マツの三つの樹木が主体で、森林面積の多くはこの三つの樹木で占められています。
従って人工林でモミが生育されることはほとんどなく、天然木を伐採して流通する形態になります。天然材でモミの樹木が見られますが、樹齢も経過している樹木が多くなります。
もっとも樹齢が経過した場合、伐採した時の運搬に難が見られる点と天然木は岩肌などの人の訪問が難しい環境が多くなってしまう傾向も強いです。県内ではモミの木は107ha以下の広がりであるため、生育していないわけでもないですが、蓄積は少なくなっております。

 

 
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