三重県のモミの取引状況(2019)

 

三重県は太平洋に面しているため、年間を通して温暖な気候なのが特徴の地域です。県内にある尾鷲市は年間降水量が日本一でもあり、降水量にも恵まれていることから尾鷲市・桑名市・名張市ではモミの育成をする農家が数多くあるのが特徴になっています。三重県の2019年9月現在のモミの取引状況は約52万トンとなっており、農林水産庁が1984年に全国各都道府県を対象にした取引状況調査の中でもっとも多い取引状況となっています。県内の各農家が育成をしているモミの種類はコシヒカリ・ササニシキの2品種で、主に宮城県と山形県の品種の栽培です。取引市場は三重県津市に2016年に新たにJA三重に管轄によって農林研究センターに併設されました。ここではセリの他、各品種の新たな改良研究もなされており中部地方を代表するモミの取引と研究がなされているところです。三重県で取り引きされているモミは北陸・東海地方へと出荷されているものの他、約25%は四日市コンビナートにあるコンテン港より北海道にも出荷なされています。1kgあたり約550円という価格は、ほかの都道府県で取り扱われているものよりも5〜7%は高くなっていますが品種改良の結果、冷害の影響を受けにくい特徴から取引率が下がらなくなっています。農林水産庁が取引状況調査を開始した1984年当時は三重県では約15万トンしかモミを取り扱っていませんでしたが、1998年に1回目の品種改良品である「きらら397」の開発に成功してからは、毎年2万トンずつの取引率の上昇を記録して現在に至ります。この品種改良には桑名市にある三重大学農学部も協力しており、今後も新たな品種が登場すると考えられます。2019年以降の三重県のモミの取引動向は、現在は主に東北・北海道の寒冷地向けのモミとなっていますが、新たな品種は九州地方の温暖な気候にあったものが登場すると予測でき、さらに取引率を伸ばしていくことでしょう。

 

 
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