鹿児島県日置市の木材市場の現況(令和元年 2019)

鹿児島県日置市の木材市場の現況(令和元年 2019)

 

鹿児島県日置市は薩摩半島の中央部に位置し、鹿児島県の主要産業を担っている企業が数多くあるのが特徴です。市の北東部には鹿児島県林業センターがあり、クロマツ・スギ・ヒノキの3種類を取り扱っている木材市場としても機能しているのが特徴です。九州は活火山に覆われた地域であり、ここで自生しているクロマツは国内だけでなく海外でも人気あがる木材で、主に調度品に加工される木材です。鹿児島県日置市の木材市場においては特にクロマツの需要が高く、令和元年の現況で全体の生産のうち約68%がクロマツが占めているほどです。林野庁の全国木材市場調査が開始された1970年の時点で、鹿児島県日置市は国内第38位の生産数しかありませんでした。ところが1980年を境に輸出量は年間12万トンを維持するようになり、輸出が解禁された2001年には年間15万トンにまでなって国内第6位の輸出数になりました。これは海外で国内産、とくに鹿児島県日置市のクロマツの需要が高まっていることに起因しているといえます。なお、国内向け住宅建材であるスギ・ヒノキに至っては、ピークであった1992年の9万トンから年々減少しており、2018年度は6.6万トンしかありませんでした。現況では大きな減少幅とはいえませんが、2020年には6万トンを切ってさらに国内需要が減少していく見通しだと鹿児島県林業センターは見解を述べています。国内の住宅建材用の材木は鹿児島県日置市だけでなく、全国レベルでも数が減っていることが伺えます。この原因として考えられるのは、中国や東南アジアから安いスギ・ヒノキを輸入することが可能になったことと、木造住宅ではなく、軽量鉄筋仕様の住居が人気になっているからでしょう。令和元年以降の鹿児島県日置市の木材市場は、本格的に海外輸出にシフトチェンジをしてクロマツの輸出を伸ばしていくことで、今以上の収益を得る可能性が高くなると考えられます。

 

 
トップへ戻る