メーラト(インド)の木材市場の現況(令和元年・2019)

メーラト(インド)の木材市場の現況(令和元年・2019)

 

インド北部に位置しているメーラトは、首都ニューデリーからおよそ60kmと近接している位置にあり、人口も2019年の時点でおよそ115万人を数える大都市です。後背地には豊富な森林資源を控えており、隣国であるネパールやブータンとの公益も比較的活発に行われていることから、木材市場の現況は安定傾向にあるものと考えられています。
基本的に木材はインド国内の流通が原則となっており、国外への輸出は禁止されている現況であるために、国内生産と国内消費のバランスが良く、海外資本の進出による加工木材産業も発達しています。メーラト周辺には木材加工業の集積している工業地も複数あり、主に現地の人材を雇用して加工や木材製品の生産業が発達していることも特徴です。
インドにおける巨大な国内人口は、近い将来に中国を超えて世界最大となる予測が立てられているため、今後も住宅産業や加工品の需要増加が安定的に見込まれていることもあり、木材産業全般は活況と言える状態です。所得水準が比較的高く住宅建築需要が旺盛なメーラトを含むインド北部地域では、木材市場の相場感は順調と見ても良いでしょう。
その一方で政府主導の住宅建設に向けたプロジェクトの影響で、木材消費が活発化してきていることや国内生産量にも限界があることから、国内の森林保護推進の動きが加速している現況にもあります。単板の需要に関しては輸入に頼らざるを得ない部分もありますので、活発な国内需要をインド国内での木材供給で賄いきれず価格の高騰を引き起こす要因になっているという分析があります。インドの森林被覆率は現時点でおよそ24%であり、この数値は将来的に33%(国内面積の3分の1)に引き上げるべきであるという国家森林政策が推進されていますので、木材供給の安定化については比較的安定していると判断できます。メーラト周辺の木材市場も外的要因と国内需要のバランスを総合的に判断し、大きな問題点は見当たらないと言えます。

 

 
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