木材貿易における信用状の有用性

 

信用状というのは国際貿易を行う際にお互いの国際取引が出来る銀行を経由して、輸入業者が相手国の輸出業者に対して発行する受取手形のようなものです。この信用状があることによって、銀行が輸出業者に対し代金支払いを保障してくれるので安心して取引ができます。そのような効力を持つ信用状ですが、この効力の有用性が発揮される国際貿易が自然物を対象として取引を行う木材貿易です。木材貿易というのは、その名の通りに自国の山を切り開いて収穫した木材をトラックや船に乗せて相手国に販売する行為を指します。木材貿易における信用状の有用性というのは、国際貿易ゆえの問題と自然物取引の不安感が大きいです。自国内での取引であれば言葉や風習が分かっているので滞りなく進みますが、国際貿易となると文化や言葉の分からない相手と話し合いをする必要があります。貿易は信頼が無ければ成立しない物ですが、やはり言葉も文化もわからない相手と交渉するというのはいくら契約書を交わしていても完全に信頼をするのは難しいです。さらに自然物取引の不安感というのは、木材貿易は何度も往復すると燃料費や人件費がかかってしまうため一度の貿易で利益を上げるために決められた数量を運ぶことになっています。決められた数量を運ぶというのが厄介で、当然ながら木材なので自然環境の悪化などで収穫できない時や運搬に支障が出るなどで遅れるなどが発生するのです。もし契約書で後払い方式ではなく先払い方式で取引をすることを決定していた場合、契約した量の木材が届いていないのに料金だけを支払うことになります。そのあとにしっかりと運んでもらえればよいのですが、経済状況が安定していない国との取引の場合だと料金を先に支払ってしまうと品物が届かないのに料金だけを持ち逃げされたという事態が起きる場合があるのです。そこで国際貿易を行う際にお互いの国際取引が出来る銀行を経由して信用状を発行することによって、2社間ではなく銀行が第3セクターとして料金支払いを証明します。国際取引が出来る銀行が仲介してくれれば、料金の未払いが発生するリスクを無くし健全な貿易が出来るようになります。

 

 
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