台湾との木材貿易の将来性について(2019・令和元年)

台湾との木材貿易の将来性について(2019・令和元年)

 

日本の木材貿易の状況は、輸出が大きく伸びています。
2012年までは100億円前後だったものが、2013年以降は中国や韓国向けの輸出が急増して現在では350億円以上になっています。
木材輸出額が350億円を超えたのは41年ぶりです。
国別の木材輸出額を見てみると、中国が150億円以上で2位以下を大きく引き離しトップに君臨しています。
2位はフィリピンの79億円で、3位のアメリカは25億円です。
前年と比べて21%も増え話題となっているのが台湾で、20億円以上と将来性を感じさせる数字を叩き出しています。
中国は通販などに使われる梱包材の需要が高く、アメリカはスギ製品の輸出が増加中です。
台湾は丸太と製材が大きく増えています。
輸出品種目別の動きを見てみると、丸太が148億円でトップです。
この数字は前年と比べて8%増えています。
製材は60億円と丸太の半分以下ですが、それでも大きな額が出てます。
合板など丸太と製材以外の木材輸出品は72億円になります。
世界的に丸太の価格が上昇し、日本産の丸太の価格競争力が増しています。
産業資材や建築現場の土木資材などに使われている一方、フローリングなどの内装材にも使われます。
台湾や中国、フィリピンなどアジア諸国の発展と共に、木材需要が伸びています。
台湾向けの木材輸入の状況は2012年までは10億円前後で推移していましたが、2015年になると倍以上の輸出額になります。
現在では主要な木材輸出国のひとつになり、存在感を示しています。
丸太中心の輸出には問題もあります。
丸太を低価格で提供している国は他にもあるので、価格競争に巻き込まれるリスクにも注意が必要です。
為替の影響を受けやすいという面もあるので、日本の高度な加工技術を活かすなど様々な工夫がされています。
台湾は鉄筋コンクリートの建物が多く、木材の建築技術は発展過程にあります。
日本の高い技術力は台湾でも認められているので、丸太だけでなく付加価値をつけた木材加工製品の輸出も期待されています。

 

 
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