木材輸出におけるインコタームズ2010適応の秘策について(2019・令和元年)

木材輸出におけるインコタームズ2010適応の秘策について(2019・令和元年)

 

日本は国土の約6割が森林の森林国家です。
1960年代から木材輸入の自由化が始まると、安い外材が入ってくるようになり日本の木材自給率は減少します。
暗い時代が長かった林業の世界ですが、アジアへの木材輸出量が一気に増えたことで活気を取り戻しつつあります。
輸出入の世界には様々なルールがありますが、INCOTERMSもそのひとつです。
INCOTERMSはICCと呼ばれる国際商業会議所が、輸出入取引に関して取引条件を定めたものです。
始まりは1936年で長い歴史があります。
定型的な取引条件の中でも、特に当事者間の費用とリスクの範囲を定めています。
インコタームズ2010適応の秘策と題して説明をしていきます。
1936年に制定されてから、国際貿易取引の変化に合わせて定期的に改訂が行われます。
1990年と2000年の改訂ではコンテナ輸送や近距離海上輸送、複合一貫輸送における鉄道貨物や道路輸送車両を使った輸送などに合わせるようになります。
最新の改訂は2010年で、2010年版は商取引での電子通信使用や欧州連合など関税の障壁が少ない国での取引なども考えて改訂されたものです。
2010年版ではDATおよびDAPが新設され、全部で11種類の規則から構成されています。
規則は2つのグループに分けることができます。
第1グループは全ての輸送形態に対応した規則になります。
第2グループは海上輸送や内陸水路輸送のための規則です。
第2グループには船側渡しのFASがあります。
FASは木材などの特別な貨物に適用される条件になるので、一般的なものではないです。
EXWは航空便やコンテナ船など全ての輸送形態を想定した取引条件なので、輸出業者にとっては負担が最も少ない条件になります。
海外取引にはメリットもありますがリスクもあります。
木材輸出などの貿易取引では、船便や航空便に加えて陸上輸送も利用します。
輸送距離が長いと輸送中の破損リスクもあるので、慎重に取引を行うことが大切です。

 

 
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