高雄市(台湾)の木材市場の現況(2019)

高雄市(台湾)は国内の産業と経済の柱となる大きな港湾都市であり、およそ277万人もの人口を擁しています。当然ながら住宅は多いですが、地震の多い国であるために木造建築が多用されているとはいいがたい状況がありました。しかし世界的なエコブームの中、木の味わいを住まいの中で感じたいという需要が現況、高まっており、住宅への木材の利用は増えると予想されています。そのため、木材市場は今後活況を呈していくものと考えられます。
台湾では台湾産の赤檜や扁柏を建築材として利用されてきましたが、1990年に国内の森林の経営管理方案が発布され、それにより天然林の伐採が禁止されました。それ以降木造建築の衰退が見られることになりましたが、2005年の京都議定書発効後は環境や健康にやさしいエコ素材が見直される気運が高まることとなりました。木材需要は高まってきており、木材の取引はますます増えていくものと見られます。高雄市は大都市であり、木造建築の需要の高まりで必要となる木材の量は相当なものとなることでしょう。
台湾は日本と同様に地震の多い国であり、地震対策の上で木造建築が用いられづらい面もありました。しかし日本や米国の技術などを導入し、地震に強い木造建築物の建設もおこなわれつつあるようです。千年以上前の木造建築物が日本に残っているように、地震の多い地域でも対応できる建築工法というのはあるわけであり、技術次第であるから木造建築は避けなくてもいいという認識が広まりつつあります。その認識の広まりで、膨大な人口を擁する高雄市での木材需要は相当高まっていくことでしょう。
高雄市には良港があり、そこから輸入された木材をすぐに活用することができる立地となっています。サバナ気候であり、木材の生産に適していないこともありませんが、国土が狭いために天然林を厳しく保護する必要はあるでしょう。木材の需要が高まれば、輸入量が増えそうではあります。

 

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