山林を所有していても、木材市場に木を出荷して利益を上げるのは現状では難しいため、土地を有効活用することなく放置しているケースは多いです。しかし土地有効活用の秘策を探り、土地という宝を宝として生かしていくことが望まれます。確かに、外材の輸入により、コストがかかり高価である日本の木材への需要が少ないのは事実です。しかし、山林には環境保全としての役割もあるため、さまざまな施策がおこなわれてもいます。保安林に指定されると、植林や間伐などをおこなうときに、補助金制度を活用できる場合があります。保安林になりそうな立地なら、保安林に指定されるよう申請することも可能です。申請が認められて保安林に指定されれば、木の手入れもそれ以前よりはしやすくなる可能性があります。
現在でも日本の至るところで外材の使用が目立ちますが、木の家の良さが見直されるようになっており、そこに使用する木材としては国産材が好まれます。特に、地元の木を使うのがいいとされます。その土地に自生している木は、その地の気候風土に適しているという理由によります。接着剤を用いた、外材を原木とする集成材よりも、無垢材が好まれるようにもなっています。古民家の廃材の需要も高まっています。つまり、効率や値段最重視の風潮が変わってきているということです。国産材の需要は高まりつつあり、高い価値も認められるようになっていますので、木材市場で高く取引されるような木を育てることで、採算が取れるようになる可能性も出てきています。
山林の管理にはお金がかかります。採算が取れないなら、放置するしかないという面はあるでしょう。これまでの効率やコスト最優先の流れでは、採算が取れる可能性は低かったわけですが、エコや地産地消が叫ばれるようになっており、シックハウス症候群も社会問題化し、住宅には強制換気が義務づけられるようになったような状況があります。国産材は見直されていくはずです。

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