だめな木材市場と良い木材市場(2020)

 

日本国内にはだめな木材市場と良い木材市場が存在しています。基本的にこれらの市場は地域によって流通の経路が固定されているため、それぞれの流通の効率や販路によってその良し悪しが分かれることになっているのです。近年では1部の地域で木材需要が増える傾向にあるため、そのニーズを把握して適切な対応を行っているところは非常に売り上げ利益が伸びている傾向にありますが、これらの需要を効果的にとらえることができないところはその生産性を上げることができず、売り上げ利益を上げることができないと言う問題を生じることになっています。
だめな木材市場でよく見られる問題点は、需要と供給のバランスが上手に保てない点にあり、その要因のほとんどが生産者が需要に応じた木材の生産を行っていないと言うことによります。従来日本では木材需要が非常に活性化した時期があり、この際には全国の木材生産地域で木造住宅の建築資材となる杉や檜を集中的に植林していました。そのうち杉や檜が非常に高く売れる時代だったのですが、すぐに海外産の安い輸入木材が利用され始めて急激に衰退した経緯があります。
多くの木材市場ではこの変化を敏感に察知し、民芸品を始めとする様々な他の事業にその目的をシフトするとともに、生産する木材の種類を変えることで対応をしてきたのですが、だめな木材市場ではそのまま高く売れると言う理由から杉や檜を生産し続けたと言う経緯があります。この状況が現在でも1部の林業家では続いており、良いものを作れば売れると言う感覚を持っている面もあるのです。
近年では日本国内の需要だけでなく海外に積極的に販売を行う木材市場も増えています。海外での木材需要は日本とは異なり、木目の美しいものを内装材に利用することが多くなっていますが、そのために木目の美しい木材を集中的に生産する市場も増えており、さらにその傾向が近年の都市部のマンション建築にも需要が広がっていることから非常に良い傾向を示しているのです。

 
トップへ戻る