江戸時代の木材市場事情

江戸時代の木材市場の重要性は非常に高く、現代よりも価値は高いものでした。
規模で見れば日本のみならず世界中で展開している現代のほうが大きいものがありますが、活気の点で言えば江戸時代の木材市場事情のほうが数段に上だったと言えるでしょう。

 

当たり前のことですが、江戸時代はコンクリートがありませんし鉄が豊富にあるわけでもありません。
それだけに建物を建てる時には木材が中心となりますから、木材の需要というのは極めて高いものがありました。
現代のように十分な木材を供給できる仕組みがあるわけではなかったので、都市部ともなれば木材の価値は非常に高いものがあり、木材市場も賑わうことになったのです。
単純に需要が多いことに加えて木は鉄筋コンクリートよりもずっと燃えやすく、更にこの時代は消防も現代のような設備があったわけではないので、一度火災が発生すれば多くの家屋が消失することになり、更に木材の需要が高まることになりました。

 

今の時代は木材の需要は決してなくなったわけではありませんが、重要性は低くなっていることは事実であり、木材市場も活発とは言えません。
それに対して江戸時代は木材の価値が極めて高いこともあり、市場も活発になっていたのです。
また、木材市場の原型となるのが作られたのもこの頃であり、木材を取り扱う業者同士でのルールが定められたのも江戸時代頃とされています。
それよりも前の時代でも需要があり取引をされていたのは間違いないのですが、戦国時代が終わり日本が安定した時代に突入をした江戸時代だからこそ木材市場の地盤がしっかりとしてくるようになったのです。

 

今でこそ木材市場は規模を縮小する傾向にありますが、江戸時代はその逆にどんどん規模が拡大をするような時代であったため、規制やルールを設けてコントロールをしていました。
このように江戸時代の木材市場というのは、日本において非常に重要性の高い大事な市場の一つとなっていたのです。

 

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