ニッポンの林業は輸出で復活できるという話

木材価格の低迷により日本の林業も衰退の一途を辿ってきました。山林の持ち主は「荒れた山から木材を切り出しても欲しがる人はおらず赤字になるだけ」と言われ、厳しい状況が続いてきています。しかし、今ニッポンの林業に復活の兆しが見え始めています。九州の港でニッポンの木材を大量買いする海外のバイヤーの姿を目にしたり、ニッポンの木材を使用した伝統家屋の建設が海外で人気急上昇というのです。ニッポンの林業の現場ではこの兆しをチャンスと受け止めさまざまな改革を始めています。長年低迷を強いられてきた日本の林業の木材生産量は、昭和30年代にピークを迎え、今ではおよそ4分の1にまで落ち込んでいたのが現状でした。しかし、徐々に回復の兆しを見せ始めているのです。その要因となる回復の1つが「輸出」です。衰退の一途を辿ってきていたニッポンの林業ですが、輸出量はこの10年間で30倍以上もの需要になっているのです。この驚くべき数字に長く林業に携わる関係者も嬉しい悲鳴を上げるほどです。中でもニッポンの輸出量の8割りを占める九州の木材輸出量は、林業に逞しい林業復活の要因を垣間見ることができます。九州の港や港の周辺に多くの丸太の山を目にします。うずたかく積まれた丸太はその数、14万以上にも及び、丸太目当てに中国から多くのバイヤーが訪れているのです。中国の一人のバイヤーは「日本からの輸入量が足りていない、さらに量を増やして欲しい」と訴えかけます。このバイヤーはこの日一度に5万本もの丸太を購入しているのに、日本からの木材が不足しているというのですから驚きです。日本の製品は高品質なものが多く世界中で人気を博していますが、木材に置いても例外ではありません。中国に運ばれた日本の丸太は上海の加工工場に運ばれ、機械や家電製品などを輸送するための梱包材の材料とされます。近年需要が高まっているネット通販や輸出用に使用される梱包材は、中国国内の木材だけではまかないきれないため、日本からの輸入に頼っているのです。中国の例にも見られるように、世界中でニッポンの復活が感じられるようになっています。

 

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